と初めて逢ったのは入学式のときだった。
俺はかったるい入学式なんか出席せず、
入部するであろうテニス部のコートを見に行っていた。
コートは俺の家のよりかは狭いがなかなか広かった。
レギュラー専用のテニスコートの前でぼーっとしていると
桜の花びらが俺の方に吹雪いてきた。
「ったく。」
止まない風にちょっと苛立ちつつ桜の木を見た。
桜の木の下にはひとりの女が座っていた。
彼女は規則正しい寝息をたてて眠っていた。
「おい。」
声を掛けてみたけど全く反応がない。
俺様が起こしてやろうとしたのにっと少し苛立ったが
彼女の気持よさそうな寝顔を見るとそんなことどうでもよくなった。
彼女の隣に腰を下ろし、何をするでもなくただ黙って彼女が起きるのを待っていた。
「・・ぉきて。入学式終わったょ。」
気付いたら俺が眠っていた。
隣で寝ていた彼女が俺を揺さぶって起こしてくれた。
「・・・あぁ。悪い。」
だっせぇ。そう思った。
「ありがと♪」
「は?」
「隣で待っててくれたんでしょ。」
どこから出るのかその自信は、っと思った。
本当ならウザイ奴と思うのだろうが、
彼女の笑顔があまりにも可愛くて何も言い返せなかった。
「あなたも1年生でしょ。私は。よろしくね♪」
それがとの出会いだった。
との接点は以外と多かった。
1年の時はクラスが一緒だったし、
兄弟が同じ部活だとかで試合にはいつも来ていた。
柄にもなく俺はが好きになっていた。
今までの俺なら女をすぐお持ち帰りしてたが、
は皆から大事にされてるし、敵は多いし・・・
第一に俺が大事にしたいと思った。
うちの学校の伝統として、部活動のレギュラーのみマネージャーをとることができる。
俺等の1つ上の先輩は強くなくすぐ引退し、俺が部長になった。
俺がマネージャーにしたい奴はただ一人。
女共は「私をマネージャーにしてぇ♪」っとうるさいがこの際無視。
俺はの元へ急いだ。
の教室に行く途中、
中庭で男女が気まずい雰囲気を出しながら立っていた。
普段の俺なら気にしないのだが、思わず足を止めてしまった。
その女のほうがだったからだ。
俺は二人の会話が聞こえる距離まで近付いた。
「バスケ部マネージャーになってくれない?」
男が重い空気を断ち切るようにそう言った。
「こいつはテニス部マネージャーだ。」
いつの間にかそんなことを言った自分。
二人が驚いた顔してこっちを見てくる。
「五十嵐・・・くん?」
俺はに近づいた。
バスケ部の奴が何か言ってるが関係ねぇ。
の顎を右手で添え、上を向かせる。
俺がそれをした時、外野の女がキャーキャー言ってたがもう何も聞こえない。
「俺様の女になれ。」
は顔を真っ赤にし、
たった一度だけコクリと頷いた。
部活にはライバルがいっぱいいる。
でも、誰にも負ける気しねぇよ。
俺をここまで変えて、
俺をここまで虜にしたのは
だけだ。
逃げるなんていわせねぇぜ。
こんなにも俺様を待たせたんだ。
骨の髄まで愛してやる。
俺流のやり方で・・・。
fin
ちゃんがテニス部マネージャーになった理由です。
馨様を虜にしちゃったんですねvv
でも今回も出番の少なかったちゃん。。。
ゴメンナサイ_(._.)_
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