ずっと教室にこもってたから外の空気でも吸いに行こうかな♪




私は開いているかも分からない屋上に向かって歩き始めた。






「あっ!〜!!」






後ろから私を呼ぶ声が聞こえたから勢いよく振り返る。



そこにはメイドの格好をしているちゃんの姿があった。






ちゃんだぁ♪可愛い格好してるねvv」



「はぁ〜…やっと見つけた。呑気な事言ってないでお店手伝って!!」




そういうとちゃんは強引に私の手をとり、教室に向かって歩き始めた。



メイドさんの隣にいると目立つのか、(私もキャバ嬢みたいな格好だけど。)周りからの視線が凄い。




「えっ…だって私は部活があるから出なくていいんじゃ…」



「人手が足りないのっ!部活のも終わったんでしょ!!」



「そりゃぁ…そうだけど。。。」



「だったらクラスの売り上げにも貢献して!!」








何だかんだ話している内に教室に着いてしまった。





中ではクラスの皆が待ってましたと言わんばかりにレースビラビラのメイド服を押し付けてきた。












「…しょうがないなぁ。」




っありがとうvvバイト代はずむから♪」



「文化祭だからバイト代なんて無いでしょっ。」



「へへっバレたか。」






結局、私はちゃんに甘いんだなぁっと思いながら奥の控え室で着替えをする。






ちゃんは私の髪を手早く二つに結ってくれた。






「この縦ロールは自分でやったの??」



「うぅん。徹くんがやってくれたんだよっ♪」




ちゃんは自分の指に私の髪をクルクルと巻き付けながら「へ〜。器用なもんだ。」と言った。










私はちゃんのそんな仕草に、徹くんが丁寧に私の髪をヘアアイロンで巻いてくれたのを思い出した。




徹くんも最後の仕上げは指に巻き付けてたなっとか。



そんな徹くんの仕草があまりにも格好良くって色っぽかったことに今気づいた。









?準備出来たよ。」



「…えっ、あっ!ありがとう!!」






私はちゃんの後に続いて控え室を後にした。





































*****





お店はこちらも大盛況でかなり忙しかった。



ホストクラブ同様、飲み物やケーキが売り切れになったので店をたたみざるをえなかった。




さん、さん、ほんとありがとう!」




文化祭実行委員の石井くんが声をかけてきた。

…石井くんは今まで何処にいたんだ?




「あっ…石井くんもお疲れ様。」



「ほんと感謝してよねっ!」



「はいはぃ。お詫びに片づけはやっとくから好きな所に行ってきていいよ。」



「やったぁ♪さっすが石井!!」






私とは対照的にちゃんは元気だ。




「私はこれから彼と落ち合うけど…はどうする??」



「ん〜…疲れたから、屋上で風にでもあたってこようかな。」



「そっかぁ。顔色悪いけど大丈夫っ?」



「ぅんっ!少し休めば大丈夫だよっ♪」




私はちゃんに別れを告げ、今度こそ屋上に向かった。

















錆びたドアノブを回して重いドアを開ける。





意外と風が強くて少したじろいだ。



空は少しオレンジがかった晴天だ。







私はハシゴを登り、校舎の一番上まで登った。



服が余計になびいて、着替えてくれば良かったなぁと少し後悔する。





登りきると腰を下ろし、空を見上げた。




空は雲一つなく、微かに星が瞬いている。




確実に少しづつ日が傾いているのを感じた。









闇に包まれる空の中、寝っころがり瞳を閉じた。






風が少し冷たいが、日差しを受けていたコンクリートは温かい。



私は徐々に意識を手放した。































*****






「んっ…」




寝てしまっていたと気づいたのは一時間経った後ぐらいだった。



寝っころがったまま目を開けると、空は真っ暗で星が沢山瞬いている。






「…っうっそぉ!!」






私はホストクラブの片付けをしていないことに気付き勢いよく起き上がった。







「うぉ!?」




「きゃっ!!」





近くから驚いた声が聞こえて驚いた。




恐る恐る振り向く。








暗闇の中には…
















「…突然起きあがったらビックリするだろうが。。。」







「て…徹くん??」






目の前には徹くんの姿があった。








「此処で何してるの??」





「何してるって…コーヒー飲んでたんだよ。」








徹くんは手にしていた紙コップを私に見せた。









私の上に何か掛かっているのを感じた。







…徹くんの背広だ。







だから暖かく眠れたんだ。








「あっ、これありがと…」



「羽織っとけよ。…それ、薄着過ぎるぞ。」






手渡した背広を徹くんは私に掛けてくれた。



私には大きいそれは冷たい風から守ってくれる。






「ありがとぅ…vv」



「どういたしまして。」







「起こしてくれても構わなかったのに。」










私がそう言うと、徹くんは深く溜め息をついた。






「…。」




「…はい?」








「メイドの格好なんかして…クラス手伝って、どうせ休んで無いんだろ。」






























「休めるときに休んどけっ。」









徹くんはそう言って私の頭をポンポンっと軽く撫でてくれた。








徹くんはいつだって優しい。




今だって私が起きるのを待っててくれたに違いない。




コーヒーなんてもう入ってないし、紙コップには乾いて跡が残っている。












あぁ…やっと気付いた。





















私は徹くんのことが好きなんだ。




















その時。
















ドーン









「きゃっ!!」




大きな音に驚き、徹くんすがりついた。



振り向くと空には大きな花が咲いていた。






…後夜祭の時間になったんだ。






校庭には生徒がたくさん集まっている。












此処は特等席だ。




「徹くん見て見てっ!すごいよ!!」






私は興奮を抑えきれず密着している徹くんを見上げた。





すると徹くんは真剣な顔で私を見ている。



私の頬に手を添える。



緊張してビクッと身震いした。



























「…やめた。」








すると徹くんは私の頬を軽く抓った。(抓ったというより摘んだ感じかな。)





「ひぇっ??」






「無理にジンクスに頼るのはやめた。」








徹くんは私の頬から手を離した。



私は訳も分からず徹くんを見つめていた。






「ほらっ。花火見てなきゃ終わっちまうぞ。」






花火の灯りに照らされた徹くんの顔が少しだけ赤かった気がするけど…気のせいかな??



私は徹くんの隣に並んで空に咲く花を見つめた。









ジンクスが何なのかはわからないままだけど、



高校生活はあと一年あるから卒業までには知ってればいいかな。















来年も今みたいに。





徹くんの隣にいられたらそれだけでいい。

























花咲く空の星に、小さな願いを。













































FIN


はい。今更ですが文化祭夢更新です。
じゃんじゃか遅くてゴメンナサイっ・・・。

屋上ルートは徹くんでした♪
徹くんは人ごみとか好まないっぽいですね。



































 

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