「みんなお疲れ様ぁ♪♪」 は練習を終えた皆にいつも通りタオルとドリンクを配る。 「合宿初日から練習量学校の倍だなんて…」 「オレ…バテバテだしぃ。。。」 受け取ると虎黒と雄はその場に座り込んだ。 「倍だったせいで海行く時間ねぇじゃん。」 徹の言葉に一斉に全員の視線が時計に注がれる。 今の時間は五時半。 夕食の時間まであと30分しかない。 「楽しみにしてたのにぃ。。。」 ガックシ肩を落として落ち込むを隣で小太郎が宥める。 「…しゃーないな。」 春がタオルで頭を拭きながらラケットバックを漁る。 「最終日にやろ思て持ってきたんやけどな。」 春は鞄から輝かしいほどの装飾をされたある物を取り出した。 「「「花火だぁ〜♪♪」」」 と虎黒と雄の三人が一斉に歓声を上げる。 「よくこんな大きいのもってきたね。」 「んな合宿に花火は常識や。」 何故か誇らしげの春を横目には早速馨に交渉を始めた。 「馨!今日の夜やってもいぃ!?」 「あ。でもさん、旅館は八時以降外出禁止ですよね。」 「え〜七時台ってまだ外明るいじゃんっ。つまらないょぅ。。。」 「しょうがねぇな…バレねぇようにするならいぃぜ。」 「…それって抜け出すってこと?」 「おもしろそーじゃん♪」 「ぇ…でもどこでやるの??」 「海でいぃんじゃないのぉ??」 「旅館の人に見つかってしまいますよ…。」 「…あ。そういえばランニングの時に学校みたいなとこあったよな。」 「あぁ。あそこは廃校だそうだ。」 「そこならばれなくていぃんじゃなぁい?」 「…廃校。」 「大丈夫だって♪俺ら悪さしに行くんじゃないんだから。」 「で、でも…」 「は花火やりたくないのぉ?」 「…やりたいょ。」 「じゃ決まりやな☆」 計画はこうなった。 食事を済ませ風呂に入り、旅館の方の仕事が終わり落ち着く頃十時くらいに抜け出すというもの。 * * * * * 「脱出せーこー☆」 満面の笑みの雄が夜道の先頭を歩いていく。 懐中電灯で照らされる木々の模様が顔のように見えて気味が悪い。 「…。」 「。大丈夫だって♪」 「俺達が一緒だからさ。」 「う、うん。」 廃校が怖い訳じゃない。 なんか嫌な感じがする。 こんなに物事が上手くいくなんてあまりにも不自然だ。 この後なにかが起こるような。 しばらく歩き続けると木々の間に建物らしき物が見えてきた。 これが皆が言っていた廃校…。 嫌な予感は気のせいだと自分に言い聞かせる。 「ほらぁ〜早くやろぅ♪」 「しゃーないなお子ちゃまは。」 「俺たちも早く行きましょう。」 「おら。行くぞ。」 馨が差し出してくれた手。 その手を取ろうと近づく。 ダメ!来ちゃダメ!! 「っ誰!!」 明らかに聞こえた。 女の子の声。 でもあたりを見渡す限り自分達以外人の気配がない。 「どうした!」 「徹くん…今声が…。」 「声?声なんて聞こえねぇぞ。」 「…そっかぁ。」 でもあれは幻聴だった気がしない。 確かに聞こえた。 女の子の…焦ったような声。 馨はなかなか歩き出そうとしないの手を強引に取り学校の校門を潜る。 その時。 「きゃぁ!」 「なん…だ!」 さっきまで何ともなかった校庭に強風が吹く。 それは次第に大きくなり私達を取り囲んだ。 雄が広げた花火達が風に舞って飛んでいく。 「く…苦しい。。。」 その風は強すぎて呼吸する暇すら与えない。 息苦しさのあまり私達は意識を手放した。 お願い…私たちを助けて。 目を覚ますと私たちは体育館らしき建物内にいた。 夜のせいで周りがよく分からない。 頼れるのは自分の視力と月明かりだけ。 「痛っ…みんな大丈夫かぁ?」 「あぁ。一応無事みたいやで。」 「雄?大丈夫?」 「花火飛んでっちゃったょぅ。」 「そういう問題じゃねぇだろ…。」 「でもいったい何なんでしょうか?」 「夢でした。じゃ済まされねぇだろ。」 それぞれ口を開く。 声を聞く限り全員無事なんだろう。 でも声の話は出ない。 また聞こえた。 悲しそうな女の子の声。 暗いある空間で私達は自分らの無事を確認しあう。 その時の私達はさっき遭ったことはただの気味の悪い出来事だと思い込んだ。 でもそれは、これから起きる出来事の序章にしか過ぎなかった。 私達が目覚めた時刻。 そして今の時刻は… 四時四十四分四十四秒。 ----あとがき---- っということで始まりました。学校の怪談シリーズ。 書きたいことはいっぱいあるのに書けない自分がもどかしい。。。 とりあえず最初の2話は短めに・・・ね。 |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||