「春のバカぁ〜!!」
「馬鹿とはなんやねん!!」
背中の温度
「ちょっ…どうしたの!?」
オレ等の声を聞いてか、隣のクラスからが駆けつけてきた。
でも、今はに抱きついてる暇はない。
「っ雄!ワガママ言うなや!!」
「ん〜っ!!春なんてもう知らない!」
俺は不思議そうに見ていると虎黒の間を抜け、走り去った。
「…あんな強く言うつもりはなかってん。」
「春は悪くねぇよ。」
「…春くん。」
「姫さん。雄のところに行ってくれへんか??」
「っ…あぁ〜ぁ。」
オレのいつもの居場所。
中庭の植え込みの間に寝っころがる。
ココの風の冷たさと草の匂いは大好きなのに…。
今は心が晴れない。
「…春のバカチン。オレの気持ちも知らないでぇ。」
「ゆ〜う〜くん♪見つけた♪♪」
「…。」
はいつもの笑顔でオレの隣に座った。
「何があったのか話してくれないかな??」
「…。」
「私には話せない??」
「…。(プルプル)」
「…春が、オレに高度なことを期待するんだ。」
『全国には、この間の試合みたいにギリギリにコースを変えれる奴はいっぱいおる。』
「オレが相手の読みを声に出したら相手にバレちゃうから手信号で伝えろって。」
『そやったら絶対バレへんやろ。』
「…オレに出来るわけないじゃん!そんなこと!!」
『何でやろうとせんで諦めるんや。』
「オレは春みたいに記憶力良くないし!絶対試合中間違えるから嫌だって言ったんだ!!」
「そっか。」
「…もう試合で負けたくないっ。だからオレの間違いで春に負担かけるの嫌なんだょ。。。」
オレの目から涙が溢れた。
春とダブルスを組んで…白黒ペア以外に初めて負けた。
ほんとに悔しかった。
オレ読みからギリギリの所でコースを真逆に変える相手。
その分、余計に走らなきゃいけない春は滑り込んだりして最後にはボロボロだった。
もう、俺のせいで春を傷付けたくないっ!!
「雄くんは優しいね♪お兄ちゃん想いだ。」
「…兄ちゃん??」
オレは驚いてを見つめた。
隣のはただ笑顔で空を見上げて言った。
「雄くんと春くんのダブルスってね、兄弟みたいな信頼関係がある気がするの♪」
「雄くんが春くんに相手の行動を伝えて、春くんは雄くんを後ろから支えてる。」
『大丈夫っ。後ろは俺が守ったるさかい♪』
そうだ。
いつも春はオレの後ろで見守ってくれてた。
「それに、いつも兄弟みたいじゃない♪♪」
『ほれ。またこんなとこで寝よって…。』
『…んっ。』
『早よ行かんと馨にしごかれんで。』
『んんっ〜…。』(←嫌だけどまだ眠い)
『…しゃ〜ないな。ほれ。おぶったるさかい早よ乗り。』
『…うん。』
「…はるっ、みたいな…兄ちゃ、んがずっと欲しかったぁ。」
「そうだったんだ。」
「き…期待にっ、答えたぃ!」
「じゃぁ、頑張ろう。私も手伝うからっ。」
「うんっ!!」
「…ねぇ?ギュッとしていい??」
「イィよ♪」
オレより小さいは抱き心地が良くって、イイ匂いがする。
すっごく落ち着く。
「…みたいなお姉ちゃんも欲しかった。」
「ははっ。私はいつでも皆のお姉ちゃんだよ♪」
「そっかぁ。よかった。」
「ありがとぅ。春のとこ行ってくる。」
「大丈夫っ??」
「うんっ。ひとりで行ってくる。」
「いってらっしゃい。」
「いってきます♪」
この想いをそのまま春に伝えよう。
出来るだけ春のために努力しよう。
失敗したら笑って許して。
上手くできたら頭を撫でて誉めてもらうんだ。
だから引退するまでオレの兄ちゃんでいて…。
「くかぁー…」(←爆睡)
「…またこんなとこで寝よって。。。」
「今日は大変だったからね♪」
「幸せそうやなぁ。」
「あっ!馨!!」
「やっば!姫さん、雄乗せんの手伝って!」
「はいはい。お兄ちゃん♪」
「…何やのそれ??」
「ちなみに私はお姉ちゃんなのっ♪♪」
「そっか♪…よいしょっと。じゃぁ部活行こかvv」
「はぁい♪♪」
その日のオレはとっても暖かい夢を見た。
何かはよく覚えてないけど。
FIN
この夢で初めて雄くんと春くんがダブルスを組んでた事が明らかにっ!!
…まぁ、結構当初からこういう設定だったのです。
雄くんは相手の変化にいち早く気付きます!
春くんは雄の言った方に先回りし、体制を崩さず打ち返します。
そんなダブルスのプレーです。
狐白虎黒ペアより兄弟っぽさのある2人が好きですvv
ちゃんあんまり関係なくってゴメンナサイ↓↓
<2006,3,13>
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